相続・遺言業務
相続
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相続手続の4つのステップ
現在の民法においては、相続は財産相続に限定されており、○○家といった戸主等の資格の相続については、別問題となっております。ここで、一般的な財産相続について、見ていきます。(遺言書がある場合には、別の流れとなります。)
STEP1.相続人の確定
まず、確定した相続財産を誰が引き継ぐ権利があるのかを確認する作業です。民法で規定されている相続人を、戸籍で確認していく作業です。
具体的には、まずはじめに亡くなられた方が、亡くなられた際に入っていた戸籍から順次遡って、生まれたときに入っていた戸籍まで遡る作業です。各役所の窓口で請求する作業はそれほど難しいことではないでしょう。また弁護士をはじめとした各士業は職権で戸籍を収集することができます。次にここが重要となるのですが、その取得した戸籍の記載から、相続人を確定していく作業です。通常子供が生まれた場合親の戸籍に入る訳ですがその記載をたどることで確定していきます。認知している子供の有無や、養子縁組の有無などがないか記載内容を細かく確認していきます。特に古い戸籍ですと手書きのため文字が読みにくかったり、戸主の戸籍にいくつもの家族が入っていたりと、相続人の確認漏れが発生しやすい状況があります。その意味では、専門家に戸籍収集から依頼して相続人を確定させる方法も有効です。
STEP2.相続財産の確定
次に、相続が発生した場合、その相続で引き継ぐ財産は何なのかを調査確認して、特定していく作業が必要になります。
具体的には、お取引のありました金融機関等に通帳を基に残高証明を依頼したり、固定資産税の通知書等から不動産の登記簿を確認したり現地を確認したりする作業で、基本的にはご親族の皆様からお伺いした情報を基に、調査、確認して確定していくことになります。その際重要なことは、漏れや抜けの無いようにすることが重要となります。あとから、亡くなられた方の物が出てきて、名義変更が必要となっても変更ができないなんてことにならないよう、しっかり確認していくことが必要です。
STEP3.遺産分割協議
次は、いよいよ遺産分割協議です。
具体的には、漏れのない確定した財産や債務を、漏れのない確定した各相続人が、だれが取得し負担するか決めていく作業です。ここで基本的には自由に、相続人間で決めることができますが、残念ながらもめてしまうこともあります。理由は、法定相続分、遺留分、特別受益、といった民法の規定を全く考慮しなかったり、逆にそのことにこだわり過ぎていたりする場合など様々です。一度もめてしまったら、なかなかまとまらなくなってしまうことも多く、また法的紛争状態となったら、弁護士に頼るしか方法はありません。もめてしまう前に、基本的な民法の考え方を知っておくことも、円滑に分割協議を進めることには有効でしょう。特にいまの民法は、平等の考え方が強く、家や家業を継ぐ人に財産をまとめることが出来にくい状況です。
STEP4.名義変更
ようやく、名義変更にたどり着きました。
具体的には、誰がどの財産を取得し債務を負担するか定めた遺産分割協議書により、各種の名義変更を行っていきます。金融機関所定の届出から、自動車の名義変更、不動産の名義変更など、一般的には、遺産分割協議書への押印の際に、全ての書類を用意しておいて、署名押印は済ませておいて、後日、個別に手続を行う方法をとります。不動産の登記はご自身でもできます。不動産物件を多数お持ちの方は司法書士への依頼が必要になる場合もございます。
遺言
遺言
遺言には3つの遺言方式があります。
実は、その方式に適合していないと有効な遺言と扱ってもらえなくなってしまうのです。この点が遺言を難しくしているのです。
その3つの方式ですが、一つ目が、自筆証書遺言。自筆証書遺言は、全文を自筆し、日付・氏名を自署し、捺印するものです。その全文ののうち財産目録に関しては、ワープロなどで作った一覧表や土地建物の登記事項証明書などでも良いように法律改正がされました。
二つ目が、公正証書遺言です。公正証書遺言は、公証役場で、公証人の面前で、遺言し、公証人の認証をもらう方式です。これには、証人2人と費用が掛かりますし、事前に必要書類の収集などが必要となりますので、スムーズに遺言するには行政書士や税理士、司法書士などを窓口にして、財産目録の作成や受遺者(遺言をもらう人)の特定などをあらかじめ行っておくとスムーズに手続ができることが多いです。
三つ目は、危急時遺言です。これは、一般的な方法ではなく、生命の危機に瀕した場合、通常の方式の遺言ができない場合にできる遺言方法です。詳しくはブログでご紹介していきますご参照ください。
遺言手続の4つのステップ
STEP1.財産債務を調べる
イメージでいうと、財産目録をつくるということです。主要な財産としては、土地建物や預貯金・有価証券などです。財産目録をつくる際には、ローンや保険などもその目録の項目として入れておくことは重要です。保険金は民法上の相続財産では有りませんので遺産分割の対象ではありませんし、遺言には関係ないと思われるかもしれませんが、保険金をもらう人ともらわない人では、もらわない人が感じる不公平感は大きいです。保険金についても、ある程度考慮した遺言の方が、全く考慮していない遺言より、後のトラブルを避けられることが多いのです。
STEP2.受遺者を特定する
財産をもらう人・債務を負担する人を決めることです。ものや借金を誰が引き継ぐのかを決めるのです。もちろん相続人でも良いですし、相続人以外でも構いません。相続人以外の場合は、あらかじめその財産を受け取ってもらえるか確認が必要な場合もあります。お世話になった福祉施設や寺社などへ財産を渡したいと思っても、受け取った以降の管理の問題で不動産では受け入れてもらえない場合がほとんどです。
また、相続人の場合でも、もらう財産は少ないのに債務は多く負担しなければならないとなったら、不満が出てくるかもしれません。できる限り債務を特定して、その債務の負担者を決めておく方が後のトラブルは少ないです。
STEP3.遺言書にする
自筆証書遺言の場合は、その方式に従い、全文を自署するのです。書き損じてしまった場合の加除の方法にもルールがあります。そのルール通りに書く必要があります。これは加齢による握力低下や加除方法適正ではなかったりなどハードルが高いです。公正証書遺言の場合は、ワープロ等で作成した遺言書案を公証役場にもちこんで打合せをすることになります。
STEP4.完成した遺言書の管理
公正証書遺言の場合、公証役場にデータとして残るので管理上の問題は少ないです。実は、自筆証書の場合は困ってしまう場合も多いのです。作成した遺言書は、どこに置いておくのか?若しくは誰に託しておくのか?ここが一番の悩みどころです。遺言書は発見してもらえなければ困ります。かといって、同居の家族に勝手に見られるのも困る場合もあります。自筆証書遺言の場合、特にこの保管方法に困ることが多いです。2020年7月からは、法務局での保管制度も始まる予定ですので、保管方法の選択肢として検討すべきです。