相続手続きの期限は?1年以内?|新潟・上越相続

query_builder 2020/08/26
相続
行政書士阿部成恭事務所
 相続手続きについて、いつまでに手続きをしなければならないでしょうか?

民法では、特に手続の期限については定められていません。しかし、手続が遅くなると、所有者が決まっていない状態の財産がそのまま残ってしまい処分などにも困ってしまいます。また、年金や税金(相続税)のように、それぞれの法律で手続の期限が定められているものもあります。今回は、相続開始後を基準に期限が定められている手続について、見ていきましょう。

①相続開始後すぐから14日以内

○死亡診断書・死体検案書の取得【病院】
  通常、病院で亡くなることが多いかと思いますので、その病院の医師が書いてくれることになります。

○死亡届・埋火葬許可申請【市役所】
 7日以内に、①亡くなられた方の本籍地 ②亡くなられた方の死亡地 ③届出人の住所地 のいずれかの市区町村役場に届出します。
 亡くなられた方の最後の住所地の市区町村役場であれば、世帯主の変更手続きや、健康保険や介護保険の手続なども、同時に手続を行えるよう時間に余裕をもって手続に伺うのもひとつです。特に本籍地と住所地が異なる場合には、時間がかかることがありますのでご注意ください。
 年金受給者の死亡届用などの死亡の記載のある戸籍をとっておくことも重要です。市区町村によっては、年金事務所提出用の戸籍(除籍)や住民票の除票などについては、無料で取得できる市区町村もあります。窓口でご確認ください

○年金受給の停止・未支給年金の請求・死亡届【年金事務所】
 被相続人の年金証書や被相続人と申請者の身分関係がわかる戸籍、相続人の金融機関の通帳などを持参して、年金受給の停止(死亡届)や未支給の年金の受給の申請をします。
 同時に、遺族年金や寡婦年金、死亡一時金などについても確認しておきましょう。また、若くして亡くなられた方の被扶養者が世帯主となる場合には、国民年金に加入しなければならない場合もありますので手続もれがないようご注意ください。

②概ね3か月以内

○被相続人の戸籍収集【本籍地市役所】
 まず、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍と取得し、配偶者相続人や血族相続人の第一順位である子がいるかどうかを確認していきます。ポイントは、死亡時の戸籍から切れ目なく遡って戸籍をたどっていくことです。

○相続人の戸籍・印鑑証明書【各本籍地市役所】
 相続人の戸籍は、父母の戸籍から婚姻等による除籍で抜けた後から、現在にいたるまでを厳密にたどるところまでは必要ありません。現在の戸籍(コンピュータ戸籍事項証明)で、十分となる場合が多いです。生年月日・氏名・本籍地について除籍時と現在が同一であれば、同一人物である蓋然性が高いからです。ただし婚姻による除籍後転々と本籍地が移転している場合は、連続するものを取得しておくこが必要になる場合があります。

○相続関係説明図の作成
 相続関係を簡単に図にしたものです。

○相続財産の調査、確定
○相続放棄、限定承認【裁判所】
○遺言書の確認・検認【裁判所】
 相続財産を調べ、どのような財産や債務があるのか確認します。特に債務の方が多い場合には、相続放棄や限定承認を検討しなければなりません。また、遺言書の有無も確認しましょう。遺産分割協議の後で見つかったりしないよう、遺産分割の話し合いの前に遺言書の有無は確認しておきましょう。
 財産調査の一環として、金融機関の残高証明を取得する際には、あらかじめ納税や公共料金の引き落としの有無を確認しておきましょう。金融機関に相続開始の事実がわかりますと口座が止まってしまうので、支払いが止まってしまいます。あらかじめ公共料金の契約者変更手続きを進めておくのも一つです。

○遺産分割協議※(10か月以内)
 相続人が確定し、相続財産債務がわかったら、遺産分割の話し合いです。協議が調いましたら、遺産分割協議書を作成します。
 相続税がかかる場合には、小規模宅地の特例や納税資金の確保を含めて、協議書作成前に税理士にご相談されることをお勧めします。

③4か月以内

○所得税の準確定申告【税務署】
 1月1日から亡くなられた時までの所得税の申告をします。

○名義変更※(1年以内)
○遺品整理、処分※(1年以内)
 遺産分割の協議が調っている場合には、名義変更や遺品整理を行います。

④10か月以内

○相続税に申告
 相続税の申告は、相続開始後10か月以内に行わなければなりません。相続税の申告が必要な方は、財産債務ともに多い場合が多いため、遺産分割協議書の作成などが、申告期限の直前になることもございます。

⑤概ね1年以内

○名義変更、遺品整理、処分※(概ね4か月)
 相続税がかかる方の場合、遺産分割協議書の作成が相続税申告期限直前になる場合がありますが、その場合その後名義変更を行うことになります。自動車の移転登録や、不動産の相続登記、金融機関の口座解約や名義変更などを行っていきます。

ご不明な点、ご相談は
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