前回に引き続き、『遺言書の書き方』です。前回は心構えについて、お伝えしました。意外と重要な点ですので、まだ読まれていない方はぜひお読みください。リンクはこちらです。
『遺言書の書き方』(1)【心構え】
心構えができたなら早速、今回は『遺言の書き方』【遺言の目的】です。遺言の目的なんか後々の争族トラブルを避けるために決まっていると思われるかと思います。それはそのとおりで正しいのですが、それぞれ想定しているトラブル(課題や問題)の種類が異なるのです。
例えば、自宅以外には少ししか預貯金がない場合では複数の相続人間で均等に分けたいと思ったとしてもそのように分けるのが難しいという問題があったり、一方では事業経営者などで安定してその事業を承継していくために財産などを一人に集中して引き継いでほしいような場合などもあります。また障がいを持つ子がいる場合などでその他の子たち兄弟で支えあってほしいと考えた場合、その障がいを持つ子が十分に働いたりできないため多く財産を与えたいが、他の子たちが反発しないか?と不安に思われたり。そのほかではこれも多いのですが、相続人以外に財産を渡したい(身の回りの世話をしてくれている長男のお嫁さんや、あまり褒められませんが愛人?さんであったり)と考えている場合、などなど、遺言者の数だけその避けたい争族トラブル(課題や問題)も異なってくるものです。
そこで回避したい争族トラブル(課題)を明確にして、そのトラブルを最大限回避できるように目的を設定するのです。あとはその目的を最優先にして、その他の問題などについても優先順位をつけておいて、どの程度まで譲歩できるかをご相談しながら決めていくのです。
少し抽象的でわかりにくいかと思いますので、別の言い方で言いいます。まず遺言のゴールを決めましょう。ここでゴール=解決すべき課題です。それでそのゴールに向かう道にそのゴール以外の障害物があります。この障害物は遺言書の副次的課題です。それらの障害物は、飛び越えたり、迂回したり、無視したりして、ゴールを目指すのです。
遺言書の目的が決まっていないと、進むべき方向が途中でわからなくなってしまいます。目指すべき方向を決まることは重要です。人それぞれ置かれている状況は違います。遺言書はあなたの思いを伝えるものです。その思いに伝えるために、遺言を書きはじめてみませんか?
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